【保存版】Matterport(マーターポート)とは? 3つの特徴やメリット、将来性を解説
「Matterportとはどんなサービスなの?」
「Matterportを効果的に活用する方法や事例を知りたい」
「Matterport制作は内製化できるの?」
こんなお悩みはありませんか?
Matterportとは、現実空間をそのままバーチャル上に表現するデジタルツイン技術です。
アメリカ発祥のサービスで、コロナ禍をきっかけに日本でもさまざまな業界で導入が進んでいます。
本記事では、Matterportの特徴や導入メリット、事例など概要を徹底的に解説します。
Matterport制作の内製化と外注の違いについても解説しているので、参考にしてみてください。
Matterport とは?
Matterport(マーターポート)とは、どんなサービスなのか、概要を次の項目に分けて解説します。
- 概要
- 仕組み
- 将来性
概要
Matterportとは、現実空間をスキャンし、その空間をそのままバーチャル上に生成する技術です。
アメリカのMatterport社が提供しているサービスで、Googleからも出資を受け、累計の資金調達額は100億以上にも及びます。
コロナ禍でユーザの行動スタイルがオンライン化したことをきっかけに、さまざまな業界業種でMatterportの導入が浸透しています。
仕組み
Matterportで制作できるバーチャル空間(以下:3Dモデル)を生成する手順は次の通りです。
- Matterportに対応しているカメラで現実空間を360度スキャン
- AIを使ってデータのつなぎ処理を実行し、空間全体のデータを作成
- データをMatterport専用クラウドにアップロードすると3Dモデルが生成
カメラには、レーザーが搭載されているため、誤差1%以内という高精度な空間認識が可能です。
3Dモデルから発行されたURLを使って、さまざまな媒体で活用します。
将来性
2022年時点で、世界170カ国以上がMatterportサービスを利用しており、市場は年々拡大しています。
Matterportは、不動産・住宅業界での活用を想定して開発されましたが、徐々に参入業界を増やし、小売りや教育施設、工場、美術館など
さまざまな施設で導入が進んでいます。
Googleから多大な出資を受けていることに加え、Meta(旧フェイスブック)と連携した開発も行われているため、今後も市場の拡大が予想されます。
Matterportの5つの特徴
Matterporは次の5つが特徴的なサービスです。
- シームレスな空間移動
- 4Kの高画質映像
- データ編集によるコンテンツ追加
- PCやスマホでかんたん閲覧
- さまざまなツールと連携可能
シームレスな空間移動
Matterportで制作した3Dモデル内は、シームレスでストレスなく空間を移動できます。
Googleストリートビューの映像では、移動できるポイント間の距離は一定に定められていますが、Matterportは自由なポイントに移動可能です。
3Dモデル内の床に表示される白い丸ポイントをクリックするだけで移動できるので、操作が簡単にできるという魅力もあります。
情報が断片的になりがちな画像や動画とは異なり、空間内のすべてを閲覧できるためイメージもつかみやすくなります。
4Kの高画質映像
Matterportの3Dモデルは、4Kを使った高解像度で表示されます。
360度カメラの画素数は4Kを採用しているものが多く、通常のフルハイビジョンテレビの4倍という高画素数です。
建設現場のこまかい施工過程や、コンテンツのこだわりや繊細な箇所までリアルに表現してくれます。現実空間と変わらない映像を閲覧できるため、まるでその場にいるかのような現実空間を体験できます。
データ編集によるコンテンツ追加
Matterportで生成した3Dデータには、コンテンツ追加やぼかし処理など空間を編集できるのが特徴です。
無料編集機能では、画像や動画、リンクをタグ内に追加でき、施設やコンテンツの説明情報を追加できます。
また、有料編集ではCGや仮想モニターを設置することも可能で、よりオリジナリティーのあるモデルが仕上がります。現実空間では実現できないコンテンツをデータに追加することで、オンラインならではの価値を提供できます。
PCやスマホでかんたん閲覧
3Dモデルは、URLで管理されるため、そのリンクを掲載するだけでさまざまな媒体で映像を公開できます。
リンクを埋め込んでWebサイト上に3Dモデルを公開できるだけでなく、リンクをQRコードに変換することで紙媒体でも活用できます。
またZoomやライブ配信、さらにイベントなどで3Dモデルを説明資料として利用しながらトークすることで、リアルタイムでの活用も可能です。
より没入感のある体験をしたい場合は、VRでも3Dモデルを閲覧できます。
さまざまなツールと連携可能
Matterportを他のツールと連携することで、活用の幅を広げることが可能です。
データ分析ツールGoogleアナリティクスと連携すれば、3Dモデルの閲覧数やデータ内のコンテンツクリック数やコンバージョン数などさまざまなデータを計測できます。
さらに、建設業界では施工における各業務フローや情報を一括で管理できる「STAGES(ステージーズ)」や「SIM-ON(サイモン)」との連携も。
画期的なシステムで業務の効率を格段にアップできるので、業務のメインツールとして採用されることも珍しくありません。
Matterportを導入する3つのメリット
Matterportを導入するメリットを3つ紹介します。
- 社内DX化できる
- データは半永久的に保存できる
- ブランドイメージを確立する
社内DX化ができる
社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)を考えている場合は、Matterportの導入は非常に効果的です。
Matterportは、営業や集客などさまざまなフローで活用できるため、ビジネスモデルを大きく変化させます。
3Dモデル内のコンテンツを充実、最適化させた上で、アクセスを集めれば営業なしで案件獲得することも可能でしょう。
業務の効率化やコストを削減することで、業績アップにつながります。
データは半永久的に保存できる
一度3Dモデルを制作すると、半永久的にデータを保管しておけることもメリットです。
3Dモデル内には、多数のコンテンツを掲載できるため、これまで複数媒体で管理していた情報も1つにまとめられます。
保管した3Dモデルは、新人の教育研修の教材や、企画設計する際の参考資料にするなど活用方法は多岐にわたります。
リンクを知っている関係者は、いつでもデータや情報にアクセスできるので、重要情報をなくすリスクも回避できます。
ブランドイメージを確立する
ブランドイメージの確立にも、Matterportの採用は有効です。
Matterportは、現実空間のありのままを表現できるので、施設やブランドのイメージや世界観をダイレクトに届けられます。
テキストや画像・動画では伝えきれなった臨場感が伝わることで、顧客は多くのシーンで選択しやすくなります。
データ編集で、ブランドや企業のイメージが伝わりやすいコンテンツを追加すると、一層イメージの確立や信頼性を高められるでしょう。
Matterportの活用事例3選【業界別】
Matterportは実際にどのようなシーンで活用されているのか、代表的な事例を業界別に3つ紹介します。
- 建設業界
- 住宅業界
- 小売業界
自社に活かせそうな活用方法がないか考えながら読み進めてみてください。
建設業界
建築業界では、さまざまな業務フローでMatterportが活躍します。
現場を数時間または数日おきに撮影しデータを共有すれば、施工過程をすべてオンラインで管理・共有できます。
また、戦略立案時の参考資料、営業資料にも利用できるため、幅広い活用が可能です。
デジタル技術でさまざまな業務を効率化することで、社内DX化を実現できます。
住宅業界
Matterportは住宅業界と相性がよく、大手企業でも導入が進んでいます。
ポータルサイトに3Dモデルを掲載することで、ユーザーは自分の好きなタイミングで物件を十分に検討できます。
画像や動画に比べて、Matterportでは物件の構造全体や臨場感まで表現できるためオンラインでも物件をイメージしやすくなります。
また3DモデルをVRで閲覧することで一層リアルな体験ができる「VR内見」の開催も効果的です。
小売業界
飲食店やアパレルなど小売業界でも、店舗イメージを表現するのにMatterportを活用しています。
人気ブランドBurberryでは、Matterportを使ったバーチャルショップを開店し、期間限定のポップアップストアのPRを強化しました。
空間だけでなくイメージ俳優を起用し、さらに編集でタグのデザインをブランドロゴに変換したことで、エンタメ性やブランドイメージの強化を可能にしました。
Matterportの制作手順
Matterportで3Dモデルを生成するまでの手順は次の通りです。
- キャプチャーアプリのダウンロード
- 撮影
- データのアップロード
- 編集
- データ公開
キャプチャーアプリのダウンロード
カメラの操作は、Matterportキャプチャーアプリで行います。
iOS、Androidで、無料でダウンロードできるので、撮影前に登録まで済ませておきましょう。
撮影
キャプチャーアプリとカメラをWi-Fiで接続し、撮影を進めます。
基本的には、施設の入口から撮影をスタートし、数珠つなぎで空間全体を認識していきます。
Matterportは、空間にあるものをすべて認識するため、事前にうつしてはいけないものの撤去など撮影空間を整えておきましょう。
Matterportに対応しているカメラは後ほど詳しく解説します。
データのアップロード
空間の認識が終了したら、データをMatterport専用クラウドにアップロードします。
クラウドは無料でも登録できますが、次の項目に当てはまる方は有料プランが必要です。
- 1データ以上保管したい
- データを編集する
- Matterport Pro2 3DカメラやBLK 360 G1など、iOSやAndroid以外のカメラで撮影する
クラウド契約は複数プランがあるため、目的に合わせて最適なものを選択しましょう。
クラウド契約プランはこちら
編集
アップロードされたデータを編集します。
タグの設置など、基本的な機能は無料で利用できるため、活用目的に合わせて充実したコンテンツを制作しましょう。
CGの追加やタグデザイン変更など、オリジナルオプションについてはMatterport SDKを使って搭載します。
データ公開
編集まで完了したら、データを活用できます。
3Dモデルから発行されたリンクを掲載し、さまざまな媒体で活用してみましょう。
Matterportの制作手順
カメラの購入やクラウド契約など、初期費用はかかりますが、内製化も十分可能です。
ただし、プロに依頼すると撮影クオリティーは高く、最適な活用方法を提案してくれるメリットもあります。
「内製化がおすすめな人」「外注がおすすめな人」は次のとおりです。是非参考にしてみてください。
内製化がおすすめな人 | 外注がおすすめな人 |
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Matterportおすすめカメラ3選
Matterport Pro2 3Dカメラ
Matterportを内製化する場合は、カメラ購入が必要になります。
外注する場合でも、外注先が高性能なカメラを使っているか確認する材料になるので、ぜひ一度読み進めてみてください。

Matterportに対応しているカメラでもっとも代表的なのが、Matterport Pro2 3Dカメラです。
6つのレンズで空間をスキャンするため、認識の精度が高いのが特徴です。
基本的に、屋内施設であればどんな空間でも認識でき、4Kの高解像度で3Dモデルを閲覧できます。
1分程度で1ポイント360°スキャンできるので、スピーディーに撮影を進められバッテリーの持ちも長く大規模撮影にも向いています。
Leica BLK 360 G1

Leica BLK 360 G1も、Matterport制作ではよく使用されるカメラで、屋外撮影に向いています。
Matterport Pro2 3Dカメラに比べて、精度が高いので建設現場など繊細な情報が必要な施設撮影で使われることが多いカメラです。
その分、費用は高くなりPro2の5倍程度になるので、予算を確保できるか検討しましょう。
また、画素数は2K、スキャン時間も4分程度と長い点にも注意しましょう。
RICOH THETA

RICOH THETAは、カメラのサイズも小さく費用も比較的安価で購入できるので、手軽に撮影まですすめるのが特徴的です。
ただし、レーザー機能は搭載されておらず、他のカメラに比べるとコンテンツの質は物足りないと感じるかもしれませんが、予算を最小限に抑えたい方や、重いカメラの持ち運びが難しい方におすすめです。
Matterportはこれからのニューノーマルに!
Matterportは、さまざまな業界業種で注目されている画期的なデジタル技術です。
これまでにない没入体験を提供し、費用対効果も期待できるサービスとして今後さらなる市場拡大が予想されます。
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Matterportに関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。